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RFM分析とは?製造業の顧客管理をExcelから脱却!営業の勘を完全データ化

「あの顧客、最近注文が来ていないな」
感覚頼りの顧客管理では売上損失の引き金に気づけないことも。

本記事では、製造業のBtoB取引に特化した「RFM分析」の活用術を解説します。Excel運用の具体的なステップから、属人化を防ぐシステム化の秘訣まで。限られた営業リソースを最大化し、離反リスクを未然に防ぐ「次の一手」へのヒントになれば幸いです

「売上の大きい取引先は把握しているけれど、
最近どの顧客が離れかけているか、誰に優先的に営業すべきかは感覚でしか判断できていない」

そんな状態に心当たりはありませんか。

取引先が数十社、数百社と増えていくと、営業担当の記憶や経験だけでは
顧客の全体像をつかみきれなくなります。
「あの会社、最近注文が来ていないな」と気づいたときには、
すでに他社に切り替えられていたという話も珍しくありません。

本記事ではRFM分析という顧客分析の手法について、専門知識がなくても
理解できるようにわかりやすく解説します。

そして製造業のBtoB取引にどう当てはめるかの考え方、Excelでの始め方とその限界、
システムを活用した効率化の方向性まで、実務に沿って紹介します。

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RFM分析とは?3つの指標でわかること

R・F・Mの3つの指標をわかりやすく解説

RFM分析とは、顧客を3つのシンプルな指標でグループ分けする分析手法です。
3つの指標の英語の頭文字を取って「RFM分析」と呼ばれています。

  • R(Recency)=最終購入日:その顧客が最後に購入(発注)したのはいつか
  • F(Frequency)=購入頻度:一定期間にどのくらいの回数、購入しているか
  • M(Monetary)=購入金額:累計でどのくらいの金額を使っているか

この3つを組み合わせることで、
顧客の「今の状態」がデータとして見えるようになります。

BtoCのビジネス(ECサイトや小売業)で
広く使われてきた手法ですが、BtoBの製造業でも十分に活用できます。
指標の名前を自社の取引に置き換えればよいだけです。

たとえば、製造業の場合はこう読み替えられます。

  • R=最後に発注があった日
  • F=年間の発注回数
  • M=累計の取引金額

なぜ3つの指標を組み合わせる必要があるのでしょうか。

1つの指標だけでは、顧客の実態をつかみきれないからです。
たとえば、取引金額だけで顧客を評価すると、
「一度だけ大型案件を発注した会社」と
「毎月コンスタントに発注してくれる会社」の区別がつきません。
前者はたまたま一回だけの取引かもしれませんし、
後者は自社の売上を安定的に支えてくれている会社かもしれません。

3つの指標を組み合わせることで、こうした違いがはっきり見えるようになります。

なぜ今、中小製造業にも顧客分析が必要なのか

「顧客分析なんて、大企業やIT企業がやることでしょう?」と思われるかもしれません。

しかし、東京商工会議所が2025年1月に公表した
「中小企業のデジタルシフト・DX実態調査」によると、
中小企業の顧客管理において、
紙の顧客台帳やExcelによる管理が約4割を占めているという結果が示されています。
つまり、多くの中小企業で顧客データは
「持っているけれど分析には活用できていない」状態にあるのです。

では、この状態がなぜ問題なのか。

既存顧客の維持は、新規開拓よりもコスト効率が高い。

マーケティングの世界では、新規顧客を獲得するコストは
既存顧客を維持するコストの約5倍と言われています。
製造業のBtoB取引でも、既存顧客の掘り起こしや離反防止に注力したほうが、
限られたリソースで成果を出しやすくなりますが
データがなければ、どの顧客が離れかけているかすら把握できません。

人手不足の環境下では、全顧客に同じ対応をする余裕がない。

営業担当が1人減れば、訪問できる取引先の数は確実に減ります。
RFM分析で優先順位をつければ、
「今、最も対応すべき顧客」にリソースを集中できます。
限られた人員で売上を維持・拡大するには、こうした判断の仕組みが欠かせません。

感覚頼りの営業判断は、属人化のリスクと隣り合わせ。

ベテラン営業が持っている
「あの取引先はそろそろ声をかけたほうがいい」という感覚は貴重ですが、
その人が異動したり退職したりすれば、判断基準ごと失われます。
データに基づく分析は、こうした属人化のリスクを下げる手段にもなります。

製造業でのRFM分析の進め方

では、実際にRFM分析を進めるにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは、製造業のBtoB取引を前提に、3つのステップで解説します。

ステップ1|まず「仮説」を立てる

RFM分析で最も大切なのは、いきなりデータを集め始めないことです。
まず、「自社の売上が伸び悩んでいる原因は何か」を考えるところからスタートします。
これは難しく考える必要はありません。
日頃感じている「気になること」を言葉にするだけで十分です。

製造業で立てやすい仮説の例をいくつか挙げます。

「ここ1年で発注が途絶えた取引先が増えている気がする」
「以前は大口だった顧客の発注量が減っているのではないか」
「新規取引先は増えているのに、売上全体はあまり伸びていない」

こうした仮説があることで、
分析後に「結果をどう営業活動に活かすか」が明確になります。
仮説なしにデータを眺めても、「で、どうすればいいの?」で
止まってしまうことが多いのです。

ステップ2|データを集めて、ランクをつける

次に、分析に必要なデータを集めます。必要なのは次の4つだけです。

  • 顧客名(取引先名)
  • 発注日
  • 発注回数
  • 取引金額

受注台帳や請求データから取得できるものばかりなので
新たにアンケートを取ったり、特別な情報を集めたりする必要はありません。

データが集まったら、R・F・Mそれぞれにランクをつけます。
最初から5段階に分ける必要はなく、
3段階(高・中・低)から始めると取り組みやすいでしょう。

製造業での基準の設定例を示します(自社の取引サイクルに合わせて調整してください)。

R(最終発注日):3ヶ月以内=高 / 3〜6ヶ月=中 / 6ヶ月超=低
F(発注頻度):月1回以上=高 / 四半期に1回程度=中 / 年1回未満=低
M(累計取引金額):上位20%=高 / 中間=中 / 下位30%=低

ランクをつけたら、3つの指標の組み合わせで顧客をグループに分類します。
すべてのパターンを網羅する必要はなく、まずは以下のような4〜5グループに分けるところから始めれば十分です。

  • 優良顧客:R高・F高・M高
  • 安定顧客:R高・F中・M中
  • 成長候補:R高・F低・M低
  • 離反リスク:R低・F高・M高
  • 休眠顧客:R低・F低・M低

ステップ3|グループごとに打ち手を考える

グループ分けができたら、それぞれの顧客群に対して異なるアプローチを考えます。
ここがRFM分析の最大の価値です。

優良顧客(R高・F高・M高)

定期的に、高頻度で、大きな金額を発注してくれている取引先です。
定期訪問の頻度を維持し、新製品や新サービスの情報は優先的に提供しましょう。
「わざわざ提案してくれた」という体験が、長期的な信頼関係の維持につながります。

離反リスク顧客(R低・F高・M高)

かつては優良顧客だったのに、最近の発注が途絶えている取引先です。
このグループへの対応が最も緊急度が高いと言えます。
他社に切り替えられつつある可能性があるため、まずは原因の確認が必要です。
価格なのか、品質なのか、対応の問題なのか。
早めに接点を持ち、状況を把握することが重要です。

成長候補(R高・F低・M低)

取引が始まったばかり、あるいは最近初めて発注があった取引先です。
まだ取引規模は小さいですが、最近の接点があるということは、
自社の製品やサービスに関心を持っている段階です。
丁寧なフォローと小さな提案を重ねることで、安定顧客や優良顧客に育てていける可能性があります。

休眠顧客(R低・F低・M低)

長期間発注がなく、もともとの取引規模も小さかった取引先です。
無理に追わず、営業リソースを他のグループに振り向ける判断も大切です。
すべての顧客に均等にリソースを割くのではなく、
「追わない判断」ができることもRFM分析のメリットの一つです。

Excelでの運用と限界

Excelで始めるRFM分析の基本ステップ

RFM分析は、まずExcelで試してみるのが現実的です。
特別なツールを導入しなくても、手持ちの売上データがあれば始められます。

大まかな流れは次のとおりです。

  1. 売上データ(顧客名・発注日・金額)を1つのシートにまとめる
  2. 顧客ごとに「最終発注日」「発注回数」「累計金額」を算出する(MAXIFS関数、COUNTIF関数、SUMIF関数などを使用)
  3. R・F・Mそれぞれについて、あらかじめ決めた基準に沿ってIF関数でランクを付ける
  4. ランクの組み合わせで顧客グループを判定する列を追加する
  5. ピボットテーブルでグループごとの顧客数を集計し、全体像を把握する

ここまでできれば
「自社の顧客のうち、優良顧客は何社か」
「離反リスクのある取引先はどのくらいいるか」
といった全体像が初めて見えるようになります。

Excelでの分析に限界を感じるタイミング

Excelは「最初の一歩」としては優れた手段です。
しかし、分析を継続的に回そうとすると、いくつかの壁にぶつかります。

取引先が増えると、更新作業に時間がかかる。

 取引先が100社を超えてくると、データの追加・修正のたびに手作業が増え、
分析そのものより集計に時間を取られるようになります。

データが分散していると、突合が大変になる。

 受注データと顧客情報が別々のExcelファイルに入っている場合、
毎回データを突合する作業が発生します。転記のたびにミスのリスクも高まります。

ファイルの管理が属人化しやすい。

 分析用のExcelを作った担当者しかファイルの構造を理解していない、という状況は非常に多く見られます。その人が異動や退職をすると、分析自体が止まってしまいます。

一度やって、そのまま更新されなくなる。 
RFM分析の本来の価値は、定期的に分析を繰り返して顧客の状態変化を追いかけることにあります。
しかし、Excelでの手動更新は負担が大きく、「一度やったきり」になりがちです。
更新されない分析結果は、時間が経つほど実態と乖離していきます。

こうした限界はExcelの機能そのものの問題というよりも、
「手動で繰り返す運用」の限界と言えます。

CRM・業務システムの役割

CRMを使うと何が変わるのか

RFM分析をExcelの限界を超えて活用していくには、顧客情報と取引データを一元管理できる仕組みが必要になります。
その役割を担うのが、CRM(顧客管理システム)や業務管理システムです。

CRMを導入することで、具体的に何が変わるのかを整理します。

受注データと顧客情報が1つの画面で確認できるようになる。

これまで別々のExcelファイルに入っていた情報が統合されるため、
R・F・Mの各指標をリアルタイムで把握できるようになります。
月末にまとめて集計する必要がなくなり、日々の営業判断に分析結果を活かせるようになります。

顧客のランク変動にいち早く気づける。

たとえば、「先月まで優良顧客だった取引先の発注が途絶えた」という変化に、
データが自動更新されていれば早い段階で気づくことができます。
Excelの手動更新では、気づいたときにはすでに手遅れというケースも珍しくはありません。

担当者が変わっても、顧客の状態が引き継がれる。

営業担当が異動しても、過去の取引履歴や対応状況がシステム上に残っているため、
引き継ぎ時の情報漏れを減らせます。

一方で、インキュデータが2025年3月に実施した調査では、
企業の顧客データ活用における課題として
「ノウハウ不足」や「デジタル人材の不足」が上位に挙がっており、
データを持っていても活用しきれていない企業がまだ多いことも示されています。
システムを入れるだけでなく、「現場が使える形にする」ことが重要だということです。

「分析したいけど時間がない」を解決するには

「RFM分析が有効なのはわかった。でも、分析をやる時間がない」

中小製造業の経営者や営業責任者の方から、こうした声をいただくことは
少なくありません。
しかしこれは「時間がない」という問題ではなく、
「手動でやろうとしている」という構造的な問題であることが多いのです。

もし、受注データが業務システムに入力されるたびに、
顧客ごとのR・F・Mスコアが自動的に更新される仕組みがあれば、
「分析のために特別な時間を確保する」必要はなくなります。

最初から完璧な分析環境を目指す必要はありません。
まずは、受注データと顧客情報を1つのシステムで管理できる状態を作ること。
それだけでも、RFM分析の土台は整います。

そのうえで、分析の粒度や活用方法は、
運用しながら少しずつ精度を上げていけばよいのです。

まとめ:RFM分析は「感覚営業」から抜け出す第一歩

RFM分析は
「最終購入日」「購入頻度」「購入金額」
という3つのシンプルな指標で顧客の状態を見える化できる、実用的な分析手法です。

特別な専門知識がなくても受注台帳や請求データさえあれば始められるため、
中小製造業の方にとっても取り組みやすい手法と言えます。

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タグ: DX RFM分析 業務効率化 脱Excel

担当者

ida

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