
皆様、決済サービスの「Stripe」をご存じでしょうか?
新サービスの立ち上げ時など、「決済をどうするか?」という問題が生じることも少なくはありません。
そんな中、決済サービスでも今多くの企業が選んでいるのが 「Stripe」 です。
弊社も実際にStripe導入のご相談を多数受けており、開発・運用サポートを行っています。
この記事では、Stripeの概要や導入のメリット・デメリットなど
システム開発の観点から見た導入のコツを、弊社の経験から整理して解説します!
決済サービスの導入など、システム導入を検討されている方は、
まずは下記よりお気軽にご相談ください。
目次
Stripeとは?
Stripe(ストライプ)とは、オンラインでの支払いを簡単に処理できる決済サービスであり、
世界中の多くの企業や日本国内でもスタートアップから大手企業まで幅広く導入されています。
金融機関の口座やデジタルウォレットなどと連携しているため、
決済がスムーズで使い勝手の良さが特徴です。
また、初期費用や月額利用料が一切かからず、
決済が発生したときにのみ3.6%の手数料が加算されるという、
非常にシンプルでわかりやすい料金体系も大きな魅力です。
さらに、支払い管理に必要な機能が100以上も揃っており、
多様なビジネスニーズに柔軟に対応できることから、多くのユーザーに選ばれています。
アカウント作成後すぐ利用でき、24時間対応してくれるカスタマーサポートもあるので、
初めてでも安心して利用できます。
Stripe導入のメリット
ここからは、Stripeの有効性について、詳しく解説します。
導入スピードが速い
Stripeの公式サイトでアカウントを作成し、APIキーを取得すれば、最短1日でテスト決済が完了します。
「早くサービスを立ち上げたい!」という方にはピッタリです。
柔軟なカスタマイズが可能
決済ボタン一つとっても、ノーコードで設置できる「Payment Links」から、
フルカスタマイズ可能な「API連携」まで選択肢が豊富なため、
どんなビジネス形態にも合わせられるのが強みです。
豊富な課金モデル
一括決済、定期課金、従量課金、マーケットプレイス型、後払いなど、
あらゆる課金パターンに対応しているため、事業の拡大などに合わせて、柔軟対応できます。
国際展開しやすい
135以上の通貨と国際的な決済手段(Apple Pay、Google Pay、Alipayなど)に対応しており、
越境ECや海外展開にも最適です。
Stripeと他社サービスとの比較
比較項目 | Stripe | PayPal | Square | 楽天ペイ |
導入のしやすさ | ◎ 最短当日で利用可能。申請〜設定がオンラインで完結 | △ 個人利用は簡単だが、法人利用は審査・制約がある | ◯ 決済端末との併用が前提になるケースが多い | △ 審査や契約が複雑で、導入まで時間がかかることも |
開発者向け機能 | ◎ 高度なAPIで自由にカスタマイズ可能 | △ 基本的な設定は可能だが、細かなカスタマイズは難しい | △ 専用アプリをベースにした運用が前提 | △ 柔軟性に乏しく、テンプレート的な利用が中心 |
対応通貨・地域 | ◎ 130以上の通貨に対応。グローバル展開向け | △ 外貨対応は可能だが、送金手数料が高め | △ 国内向けが中心 | △ 基本は日本国内向け |
定期課金機能 | ◎ サブスクリプションや一括請求など、多彩な課金モデルに対応 | △ 簡易的な定期課金は可能 | × 定期課金は非対応 | △ 外部連携が必要になることが多い |
ブランディング・UI | ◎ 決済画面のデザインを自由に構築可能 | △ PayPalロゴの表示が必須 | △ SquareのUI前提での利用 | △ ブランドカラーの制限あり |
開発の自由度、国際対応力、柔軟な課金モデルという点で、
Stripeは他サービスより優位性が高いと言えます。
Stripeを実装した顧客のニーズ
今回、弊社が支援した企業様のStripeを選んだ背景には、
以下のような課題や要望がありました。
- Web決済等Web運営が初めてで不安
- 柔軟な決済スタイルが必要
- 定期購入など、設定したいプランが多数ある
- 従量課金も併用したい
- プラン変更にも対応したい
- 初月無料などのクーポン機能の開発が必要
導入前に知っておくべきポイント
最初は、弊社も「Stripe=オンライン決済ができるだけのツール」くらいと考えていました。
ですが今回の開発で実際に調べてみると、
単なる決済システムにとどまらず、かなり奥が深いサービスであることがわかりました。
特に、導入企業の目的や規模、業種によって、
「何ができて、何ができないのか」が別れるため、事前に整理しておくことが重要です。
Stripeで、できること・できないこと
ここからは、Stripeで「できること」・「できないこと」を紹介します。
Stripeで「できること」
■ 多彩な決済手段への対応
以下のような、多彩な決済手段対応しています。
- クレジットカード・デビットカード(Visa、Mastercard、Amexなど)
- Apple Pay・Google Pay
- 銀行振込(Bank Transfer)
- コンビニ決済(一部リージョン)
- サブスクリプション課金の自動化
■ 高度なAPIによる柔軟なカスタマイズ
高度なAPIが用意されているため、Webアプリやモバイルアプリへの統合が可能です。
また、顧客管理、返金処理、定期課金などの自動化にも対応ができます。
■ Stripe Checkoutによる高速実装
ノーコードでの支払いページ作成が可能で、
多言語・多通貨に対応しています。
■ Stripe Connectによるマーケットプレイス機能
複数の出品者や加盟店を扱うECモールに最適なマーケットプレイス機能があり、
売上の自動分配・手数料徴収が可能です。
Stripeで「できないこと」
■ 会計・在庫管理の機能はない
Stripeは決済に特化しているため、仕入管理や損益計算は別ツールが必要です。
■ ショッピングカート機能は別途必要
Stripe単体ではカート機能がないため、EC構築にはShopifyなどの連携が必要です。
■ 審査や利用制限がある
Stripeの利用にはアカウント開設時の審査があり、
業種やサービス内容によっては利用が制限される場合があります。
Stripeは、オンラインビジネスやSaaS、サブスクに強い決済基盤です。
「できること」・「できないこと」を把握しておくことで、
必要なものが不足しているなどミスマッチを防ぐことができます。
自社のサービスに合った形で導入を検討し、
必要に応じて他ツールとの連携を前提に考えることが成功のカギとなります。
Stripeの導入を検討中の企業様向けに、無料相談を受付中ですので、お気軽にお問い合わせください。
Stripe課金処理パターンについて
Stripeを使えば、定番の一括決済から月額課金、分割払い、マーケットプレイス型まで、
さまざまな支払い方法に対応できます。
まずは、どんな課金スタイルを求めているのかを整理することがが重要なポイントになります。
もし「もう少し柔軟な課金がしたい」「複数の課金方法を組み合わせたい」といったニーズがあれば、Stripeの機能を組み合わせて対応することも可能です。
以下では、Stripeの課金パターンについて整理しました。
1. シングルペイメント(一括決済)
概要: 商品やサービスを1回の支払いで完了する一般的な決済方法。
ユースケース: ECサイト、単発のサービス購入など。
実装方法: Checkout、Payment Links、API(PaymentIntents)を利用。
2. サブスクリプション決済(定期課金)
概要: ユーザーから定期的に(毎月・毎年など)料金を徴収するモデル。
ユースケース: 動画配信サービス、SaaS、会員制ビジネス。
実装方法: Stripe Billingを利用し、プランごとの設定や試用期間も可能。
3. 分割決済(Buy Now, Pay Later)
概要: 購入金額を分割払いで処理する方法。
ユースケース: 高額商品の購入(例:電子機器、家具)。
実装方法: Affirm、Afterpay、Klarnaなどの後払いサービスをStripe経由で提供。
4. マーケットプレイス型決済(プラットフォーム決済)
概要: 複数の売り手がいるプラットフォームで、売上を各出品者に分配。
ユースケース: フリマアプリ、クラウドソーシング、シェアリングエコノミー系サービス。
実装方法: Stripe Connectを使用し、売上の分配・送金を自動化。
5. 後払い決済(BNPL – Buy Now, Pay Later)
概要: ユーザーが商品を受け取った後に支払いを行う。
ユースケース: アパレル、試着後決済を許可するECサイト。
実装方法: Stripeの後払い決済(Klarna、Affirm)を利用。
6. リンク決済(No-Code決済)
概要: 決済用のリンクを発行し、SNSやメールで共有できる簡単な決済方法。
ユースケース: 小規模ビジネス、個人販売、イベントチケット販売。
実装方法: Stripe Payment Linksを使用し、ノーコードで対応可能。
7. 現地決済(POS決済)
概要: オンラインだけでなく、実店舗でも決済を行う。
ユースケース: 店舗販売、ポップアップストア。
実装方法: Stripe Terminalを使用し、専用のカードリーダーを導入。
サブスクリプションのパターン
1. 通常のサブスクリプション(固定額の定期課金)
概要: 毎月または毎年、一定の料金を請求する一般的なサブスクリプションモデル。
ユースケース: 動画配信サービス、オンラインスクール、SaaS。
実装方法: Stripe Billingを利用し、定額プランを設定。
2. 従量課金(Usage-Based Billing)
概要: 利用した分だけ課金する従量課金モデル。
ユースケース: APIのリクエスト数に応じた課金、クラウドストレージ料金。
実装方法:Stripe Billingの「メーター制課金(Metered Billing)」を利用。
期間ごとの利用量を集計し、請求時に課金。
3. サブスクリプション + 従量課金(ハイブリッド課金)
概要: 基本料金 + 従量課金を組み合わせたモデル。
ユースケース:SaaS(月額基本料+APIリクエスト数に応じた追加料金)。
動画配信サービス(基本プラン + 追加コンテンツの従量課金)。
実装方法:Stripe Billingで「固定料金 + 従量課金」の価格モデルを設定。
「quantity」 フィールドを使い、使用量に応じた請求を実装。
4. Subscription Schedule(サブスクリプションスケジュール)
概要: サブスクリプションの開始日や価格変更を事前にスケジュールできる機能。
ユースケース:初月無料 → 翌月から有料プランに自動移行。
一定期間ごとに料金が変動するプラン(プロモーション価格 → 通常価格)
実装方法:「SubscriptionSchedule」 APIを利用し、期間ごとにプランを設定。
5. 前払い+従量課金(プリペイドモデル)
概要: 事前に一定額を支払っておき、利用量に応じて消費するモデル。
ユースケース: クラウドストレージのクレジット制、ポイント購入型のサービス。
実装方法:Stripe Balance(クレジット管理機能)を活用。
カスタムロジックで、使用量に応じた残高管理を実装。
6. 柔軟な課金変更(Prorated Billing)
概要: ユーザーが途中でプランを変更した場合、日割り計算で課金額を調整。
ユースケース:フリーミアムモデルで、有料プランへ途中変更。
途中で上位プランにアップグレードした場合の差額請求。
実装方法:「proration_behavior」 を 「create」 や 「update」 APIで設定。
Stripeは、多様な課金パターンを簡単に実装できる機能を提供しています。
そのためどのビジネスモデルにおいても、Stripeを活用することで、課金処理を効率的に行い、
ビジネスの成長を支援できます。
まとめ
ここまでご紹介してきた通り、Stripeは単なるオンライン決済サービスではありません。
あらゆる業種・業態にフィットする柔軟性、
サブスクリプションや従量課金といった多様な収益モデルへの対応力のある
素晴らしいビジネスプラットフォームです。
また、導入現場では、
「開発が早い」
「UIがブランドイメージを損なわない」
「他の基幹システムと連携しやすい」といった声が多く、
「BtoB・BtoC」を問わず様々な企業に選ばれている印象があります。
弊社では、導入支援から開発、保守運用などサポートしております。
これまで複数の導入実績がありますので、自社にあった最適なご提案もお任せください。
「決済周りで困っている」「これからStripeを導入したい」とお考えの方は、
下記より、ぜひお気軽にご相談ください!