【Excelシート配布中】アルバイトの有給付与計算について

パート・アルバイトの従業員も、正社員のように有給休暇が付与される対象です。パート・アルバイトの場合は、有給休暇の条件が正社員と異なり、「有給休暇の比例付与」と言います。当記事では、実際にとある企業の有給管理ツールに「アルバイトの比例付与対応」を行った筆者が、どのようにツールを作成したかを解説します。

アルバイトにも有給休暇があるのか?

パート・アルバイトの従業員も、正社員のように有給休暇が付与される対象です。

なぜなら、労働基準法では雇用形態に関わらず、労働者に対する有給休暇を認めているからです。

パート・アルバイトの場合は、有給休暇の条件が正社員と異なり、
法律上も「有給休暇の比例付与」と言います。

みなさんは正しく違いを理解できているでしょうか?

また、企業で有給休暇を管理されている担当の方々は、
どのようにアルバイトの有給休暇を管理されていますか?

当記事では、
実際にとある企業の有給管理ツールに「アルバイトの比例付与対応」を行った筆者が、
どのようにツールを作成したかを解説します。

ツール作成は3ステップでできる、意外と簡単なものです。

また、当記事ではサンプルファイルもダウンロードできるようになっていますので、
ぜひご利用ください。

アルバイトの比例付与とはなにか?

冒頭で、パート・アルバイトの従業員の場合の有給休暇は
「比例付与」されると述べましたが、
「比例付与」とはつまり「働いた時間に応じて休暇を付与する」という意味です。

そもそも「有給休暇」とは何でしょうか。

「比例付与」を知る前に、少しおさらいしましょう。

「有給休暇」とは、
従業員の権利として労働基準法で認められている、
給料が保障された休暇のことです。

従業員が有給休暇を取得するためには、
次の2つの条件を満たしていることが必要です。

これらの条件を満たした場合、
法律で決められた日数の有給休暇が年1回付与されるのです。

<有給休暇付与条件>
 1.入社日から6か月間継続的に勤務すること
 2.全労働日の8割以上出勤すること

つまり、正社員の場合は出勤率8割を維持していれば、
勤続年数に応じて有給休暇が付与される仕組みになっています。

しかし、アルバイトの場合は、「比例付与」のため、
出勤率と勤続年数の他、労働日数も加味される仕組みとなっています。

一般的にアルバイトは正社員よりも勤務時間や労働日数が少ないため、
正社員の週の労働日数を「5.2日」と定め、
それを基準としてアルバイトの有給休暇の日数を算出しているようです。

労働時間や労働日数が流動的であるアルバイトやパートタイマーなどの雇用形態の労働者でも、
それに応じて正社員と同様に有給休暇を取得できるようにした仕組みが「比例付与」ということです。

比例付与の具体的な条件

では、アルバイトの「比例付与」の場合、
実際にどのように日数を計算するのでしょうか?

ポイントは「労働時間」と「労働日数」です。

まず「1週間の所定労働時間が30時間未満であること」が必須条件となります。

所定労働時間とは
就業規則等で正式に雇用者との間で決められている労働時間のことです。

就業規則や雇用契約などの事前にチェックして把握しておきましょう。

次に、必要条件が2つあります。


上記必須条件と、
次のいずれか1つの条件に該当した場合に「比例付与」対象となります。

必要条件1つ目は、
「1週間の所定労働日数が4日以下であること」。

そして2つ目は、
「1年間の所定労働日数が216日以下であること」です。


これもまた所定労働日数の把握が必要となりますので、
自社の規則、契約内容を確認しましょう。

そして意外と見落としがちなことは、

上記に該当しない場合は、正社員と同様の扱いで有給休暇が付与されるということです。

例えば、必須条件である「1週間の所定労働日数」が「40時間」だとしたら、
その人がアルバイトであっても「比例付与」の対象とはならず、
正社員と同じ勤続年数に応じた休暇が付与されるのです。

有給休暇の基礎条件も含めて
比例付与の条件をまとめるとこのような感じになります。

<比例付与条件>
1.入社日から6か月間継続的に勤務すること — *正社員と同じ
2.全労働日の8割以上出勤すること — *正社員と同じ
3.1週間の所定労働時間が30時間未満であること — アルバイトのみ
4.労働日数が下記いずれかに該当すること — アルバイトのみ
A.1週間の所定労働日数が4日以下であること
B.1年間の所定労働日数が216日以下であること

有給管理ツールの活用方法

どの会社でも、なにかしらの形で社員の有給休暇を管理していると思います。

ここでは、Excelで管理している会社の方向けに、
比例付与対応の方法を解説したいと思います。

ぜひ下記のボタンからExcelをダウンロードして
サンプルファイルの「2.有給管理表」を見ながら解説をご覧ください。

ダウンロードはこちら

大きく分けてやることは3つだけなので、意外と簡単です。

 ■ステップ1:比例付与条件を判定する
 ■ステップ2:有給日数を判定する
 ■ステップ3:有給付与日数を表示する

それぞれやることついて解説していきたいと思います。

ステップ1:比例付与条件を判定する

まずは「3.比例付与の具体的な条件」に記載した
<比例付与条件>を判定するための機能を作成します。

正社員と同じ条件に必要な項目(勤続年数、出勤率)は既にある前提で、
労働時間と労働日数をもとに
所定の条件に該当するか判断する式を組み込んでいきます。

①所定労働日数または、週所定労働時間、労働日数(週/年)を表示する項目を作成する。

 サンプルファイル:X列、V列、Y列 

②有給休暇必須条件に該当するかを判断する

 有給付与基準日時点で入社6か月以上であることと、
 年間所定労働日数に対する実績日数を求め、0.8以上であるかを判定します。
 判定した結果該当する場合は「対象」と表示するようにします。
 
 例:=IF((DATEDIF(入社日,有給付与基準日,”m”)/12)>=0.5,IF(年間労働日数実績/年間所定労働日数>=0.8,”対象”,””))
 サンプルファイル:R列

③比例付与条件Aに該当するかを判定する。

 つまり、1週間の所定労働日数が4日以下かどうかを判定する式を作成する。
 
 例:=IF(②有給必須条件=”対象”,IF(1週間の所定労働日数<=4,”対象”,”対象外”),””)
 サンプルファイル:S列

④比例付与条件Bに該当するかを判定する。

 つまり、1年間の所定労働日数が216日以下であることを判定する式を作成する。
 
 例:=IF(②有給必須条件=”対象”,IF(年間所定労働日数<=216,”対象”,”対象外”),””)
 サンプルファイル:T列

以上で比例付与条件判定は完成です。

IF文だけでできてしまうのでとても簡単だと思います。

ステップ2:有給日数を判定する

次は、実際に何日分取得できるのかを表示する機能です。

これには、別シートに計算用マトリクスが必要です。

サンプルファイル「3.日数計算表」シートにあるような、
勤続年数×労働日数(週/年間)のマトリクスを
そのままコピーしてご自分のツールに貼り付けましょう。

元から正社員用のマトリクスがある場合は、
既存のマトリクスに横軸の労働日数(週/年間)を付け加えましょう。

マトリクスを修正する場合、
既存の関数の参照先も変更する必要があることが多いため気を付けてください。

その心配が大きい場合は
まったく別の場所に新規でアルバイト用のマトリクスを作成しても良いでしょう。

有給休暇日数計算用マトリクスが作成できたら、
社員の有給管理シートへ戻り、下記の項目を作成します。

ポイントは、MATCH関数を使うことです。

MATCH関数とは、
検索する値が参照先マトリクス上の何番目に位置するかを求める関数です。

引数に1をセットすることで、
完全一致ではなく該当する最大値の値を検索することができます。

後に述べる「INDEX関数」と合わせて使うことで威力を発揮する便利な関数なので、
この機会にMATCH関数の使い方をマスターしましょう!

手順は大きく2つに分かれます。

まず有給休暇日数計算用マトリクス上の該当する位置を取得します。

そのあとに取得した位置を使って、実際のマトリクス上の日数を表示します。

まずは有給休暇日数計算用マトリクス上の該当する位置を取得する方法です。

①週の労働日数(実績)がマトリクスのどの位置に該当するか求める。

 例:=MATCH(週の労働日数(実績),計算用マトリクスの週所定労働日数(縦軸①),1)
 サンプルファイル:AA列

②年間の労働日数(実績)がマトリクスのどの位置に該当するか求める。

 例:=MATCH(年間労働日数(実績),計算用マトリクスの年間所定労働日数(縦軸②),1)
 サンプルファイル:AB列

③勤続年数がマトリクスのどの位置に該当するか求める。

 例:=MATCH(勤続年数,計算用マトリクスの年間所定労働日数(横軸),1)
 サンプルファイル:AC列

次に実際のマトリクス上の日数を表示する方法を記載します。
これには先ほど述べたINDEX関数を使います。

④比例付与対象の場合に比例付与日数を表示する

ここで気を付けるべきポイントがあります。

それは、比例付与条件Aに該当するかBに該当するかで、INDEX関数の参照元が異なることです。

そのため、まずIF文で必須条件に該当するか判断したあと、
比例付与条件Aに該当するかを判断し、
Aに該当する場合は週労働日数をもとにマトリクスから日数を取得する、
といったような流れの式を作成します。

 例:=IF(有給必須条件=”対象”,INDEX(マトリクス値範囲,週労働日数実績,勤続年数),
     INDEX(マトリクス値範囲,年間労働日数実績,勤続年数))
 サンプルファイル:U列

INDEX関数は、
マトリクス範囲の中から指定した行、列に該当する値を取得するための関数です。

MATCH関数で該当する行、
列を求めた後にINDEX関数でその結果を使うことで、
簡単にマトリクスから値を取得することが可能となります。

注意すべき点は、
指定するマトリクス範囲には縦軸と横軸部分は含まれないことです。

純粋に値の部分だけを指定するようにしてください。

ステップ3:有給付与日数を表示する

ここまでできたら、あとは有給付与日数を表示する項目を作成するだけです。


まず、事前準備として社員区分を示す項目が必要です。


無い場合は、社員区分を表示する項目を作成し、
正社員の場合は「正社員」、それ以外は「アルバイト」など表示するようにします。

サンプルファイル:E3セル

それができたら、有給付与日数を表示する項目を作成します。

既存のExcelツールがある方は、
これまで正社員の有給付与日数を表示していた場所を以下のように書き換えましょう。

 例:=IF(社員区分=”アルバイト”,アルバイトの比例付与日数(ステップ2で作成した項目),正社員の場合の付与日数)

まとめ

3ステップで
アルバイトの有給休暇比例付与日数を計算するExcelの作成方法を解説しました。

IF文や、MATCH関数、INDEX関数を使うことで
意外と簡単にできることが理解いただけたでしょうか。

ポイントは、比例付与条件のAかBに該当するか判定したら、
その判定結果に従って日数を計算する仕組みを作ることです。

お手元の既存のツールを修正するだけで簡単にできますので
ぜひお試しいただけたらと思います。

Excel関数を活用して
皆さんもアルバイトの有給休暇比例付与計算を正しく行いましょう。

上記に関するお問合せは下記からお願いします。

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カテゴリー:7.勤怠管理ブログ

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