目次
はじめに
表計算ソフトとして大変有名で使いやすいExcelですが、
企業や業務でExcelを使用していると
意外と不便に感じることも多くあるのではないでしょうか?
そこで今回は “それって脱Excelすべきでは?” とシリーズ化して
企業がExcelを多用していて困る場面の紹介と、それの解決策を提示します。
また、すまいる顔では、
ITシステムを使って、合理的な経営を実現することをコンセプトに、
専任SEによる無料相談を実施しています。
脱Excelやペーパーレス化に課題をお持ちの方は、まずは下記よりお気軽にご相談ください。
今回のケース
機器メーカーでの事例です。
この会社では見積書のフォーマットがなく、
書類のフォーマット等は各営業の判断にゆだねられていました。
今回はこの機器メーカーで起こった見積書に関する2つのトラブルを紹介します。
1つ目のトラブルは、顧客の引継ぎ時に起きたトラブルです。
ある顧客の担当を、AさんからBさんに引継ぎしたことで事件は起こりました。
Bさんは無事引継ぎを終え、しばらく日が経ったある日のことです。
顧客から
「いつもの〇〇が欲しく稟議にあげるので、見積書を送ってほしい」と
連絡がありました。
Bさんは、
Aさんからの引継ぎ資料の中から過去の見積書を見てみると
Aさんの使っている見積書と、
Bさんの使っている見積書ではフォーマットが異なっており
Bさんは、自分の使っている見積書フォーマットに値をコピー&ペーストして
顧客に見積書を提出します。
しかし、過去と同じ条件で出したと思った見積書でしたが
支払い条件など細かい条件を正しく設定できておらず、
顧客から指摘されることになります。
Bさんは当然対応に追われることになり、
引継ぎ早々から顧客からの信頼を失うことに繋がってしまいました。
2つ目のトラブルは、通し番号に関するトラブルです。
この企業では、1つ目のトラブルや、その他のトラブルを受け
全社的にExcelのフォーマットを統一することにしました。
またフォーマットの統一だけでなく、
データ保管時のルールも定め
ファイル名を「部署記号-従業員番号-通し番号」とし、
PDFで保管をするルールを定めルール化し、
マニュアル等を作成しました。
しかし実際に運用を開始すると、
新しく設定した通し番号に関してのヒューマンエラーが多く発生し、
抜け番や重複が多発する事態が起きてしまいました。
その結果、
一時期はフォーマットを統一し保存方法も厳しく設定していたものの
ルールは浸透せず、結局今までの担当者後ごとの思案に任せることになってしまいました。
理想の管理方法
ここで理想の管理方法とは、どのような状態を指すのかを記述します。
見積書の管理方法として理想の状態とは、以下の状態を指すのではないでしょうか。
理想の管理方法
①入力ミスが起きにくい
②社員全員が同じフォーマットを使える
③過去の見積などを一覧で簡単に確認できる
上記①~③の状態が満たされれば、
見積書に関しての不安はなく、
快適に管理できている状態と言えるのではないでしょうか。
理想と現実のギャップ
では理想と、今回のケースでは、どのようなギャップがあるでしょうか?
①~④のそれぞれについて考察します。
①入力ミスが起きにくい、について
「支払い条件など細かい条件を、正しく設定できておらず」
という事実からすると
入力ミスは発生しており、
これは①入力ミスが起きにくい状態とは言えません。
②社員全員が同じフォーマットを使える、について
「Aさんの使っている見積書と、Bさんの使っている見積書ではフォーマットが異なっており」
という事実からすると、
これは②社員全員が同じフォーマットを使える、状態とは言えません。
③過去の見積などを一覧で簡単に確認できる、について
「一時期はフォーマットを統一し保存方法も厳しく設定していたものの
ルールは浸透せず、結局今までの担当者後ごとの思案にに任せることになってしまいました」
という事実からすると
これは③過去の見積などを一覧で簡単に確認できる状態とは言えません。
まとめると以下のようになります。
理想の管理方法と現実の比較
①入力ミスが起きにくい ➡ ×
②社員全員が同じフォーマットを使える ➡ ×
③過去の見積などを一覧で簡単に確認できる ➡ ×
理想と現実のギャップを解決するための課題
これらの理想と現実のギャップを解決するには、
どのような課題があるかを考察します。
①入力ミスが起きにくい状態を実現するためには
できるだけ入力項目を選択式にして、
入力を簡単にすることが求められます。
②社員全員が同じフォーマットを使える状態を実現するには
入力者がフォーマットを編集できないような形式にすることが求めまれます。
③過去の見積などを一覧で簡単に確認できる状態を実現できるには
作成した見積書が自動でリスト化される必要があります。
まとめると、理想と現実のギャップを埋めるための課題は以下のように定められます。
理想と現実のギャップを埋めるための課題
理想①入力ミスが起きにくい状態を実現する
➡課題①できるだけ入力項目を選択式にして、入力を簡単にする
理想②社員全員が同じフォーマットを使える状態を実現する
➡課題②入力者がフォーマットを編集できないような形式にする
理想③過去の見積などを一覧で簡単に確認できる状態を実現する
➡課題③作成した見積書が自動でリスト化されるようにする
解決策
理想と現実のギャップを埋めるための課題を解決する方法には、以下の2つの具体的な方法があります。
- キントーンを導入する方法、
- Claris FileMakerを導入する方法
それぞれで
①理想と現実のギャップを埋める方法
②メリット
③デメリット
④商品詳細
について記述します。
キントーンやClaris FileMakerを導入をご検討されている方は、
下記よりお気軽にすまいる顔専任SEへお問い合わせください。
キントーン
1つ目は、キントーンを導入し、クラウド上で見積書を作成する方法です。
理想と現実のギャップを埋める方法
まず、キントーンを使用してどのように
理想と現実のギャップを埋めるための方法を記述します。
理想①入力ミスが起きにくい状態を実現する
➡課題①できるだけ入力項目を選択式にして、入力を簡単にする
という課題に対して、キントーンなら
入力項目を選択式にし、入力を簡単にすることが可能です。
また過去の見積書を簡単に表示し、簡単に複製することも可能なので
作成時のミスや作業時間を削減することが可能です。
理想②社員全員が同じフォーマットを使える状態を実現する
➡課題②入力者がフォーマットを編集できないような形式にする
という課題に対し、キントーンなら
予めフォーマットをシステムで構築するので、見積書の作成者レベルで
独自のフォーマットのアレンジを行うことはできなくなります。
理想③過去の見積などを一覧で簡単に確認できる状態を実現する
➡課題③作成した見積書が自動でリスト化されるようにする
という課題に対し、キントーンなら
作成した見積書は自動でリスト化され、
発行日や発行者、顧客ごとに検索することも可能です。
メリット
キントーンを使用するメリットは
見積書だけでなく、様々な機能が用意されており、
見積書以外もクラウド管理に移行することで
DX化が進む第一歩になるかもしれません。
(※DX化とは:Digital Transformationの略語です。
デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくことをDXと言います)
デメリット
キントーンを使用するデメリットは
使用する機能によっては、初期費用や月額費用が高額になることと
細かなカスタマイズは難しいケースもあることです。
商品詳細
キントーンで見積書を管理する方法を記述します。
キントーンで見積書を作成するには「商品見積書パック」を利用します。
商品リストアプリと関連付けているので、
リストから型番・商品名・単価等をコピーし、
かんたんに見積を作成することができます。
また
・作成日時のタイムスタンプ
・変更日時のタイムスタンプ
・作成者
・通し番号
など、Excelで手動で管理するのが大変だった問題点も
キントーンの「商品見積パック」を利用することで解決することができます。
Claris FileMaker
2つ目は、Claris FileMakerで見積書作成ソフトを開発する方法です。
理想と現実のギャップを埋める方法
理想①入力ミスが起きにくい状態を実現する
➡課題①できるだけ入力項目を選択式にして、入力を簡単にする
という課題に対し、Claris FileMakerなら
入力項目を選択式にし、
入力を簡単にすることが可能です。
またキントーンのように見積書の複製も簡単に行うことができるので
定期的に発行する見積書などはより効率的に発行することが可能です。
理想②社員全員が同じフォーマットを使える状態を実現する
➡課題②入力者がフォーマットを編集できないような形式にする
という課題に対し、Claris FileMakerなら
入力するスペースと、フォーマットを編集するスペースが分かれているので
入力者が気軽にフォーマットを編集することを防ぐことができます。
また、Claris FileMakerならシステム構築やレイアウト編集が簡単なので
Excel程度の技能があれば、
自社で簡単にレイアウトを編集することも可能です。
理想③過去の見積などを一覧で簡単に確認できる状態を実現する
➡課題③作成した見積書が自動でリスト化されるようにする
という課題に対し、Claris FileMakerなら
作成した見積を自動でリスト化することが可能です。
またキントーンのように通し番号や発行者でソートすることも容易なので
見積書の管理に要する時間を短縮することが可能です。
メリット
Claris FileMakerで作成するメリットは、
自社に必要な機能だけを自由に設計でき、
自社特有の対応や仕様にも対応できるところです。
デメリット
Claris FileMakerで作成するデメリットは、
仕様を1から作成する必要があり、
構成や設計に時間がかかることです。
商品詳細
上述デメリットの項目でClaris FileMakerのデメリットは、
構成や設計に時間がかかることと記述をしました。
しかし、すまいる顔では、
Claris FileMakerテンプレートシステム「すまいるエイト」を開発し
見積書作成ソフトのテンプレートをすでに用意しています。
この「すまいるエイト」を使用すれば
導入までの日数を各段に短くすることが可能です。
「すまいるエイト」の見積書発行システムは以下のような画面構成です。
Excelで手動で行うのは手間がかかった通し番号や
発行した見積書のリスト化を自動で行うことが可能です。
また、入力欄はこのような画面設計です。
フォーマットは、今お使いのExcelのフォーマットに寄せることも可能です。
定型文などもプルダウン式にし、入力の手間を省くことができます。
詳しくは、下記の関連記事をご覧ください。
まとめ
今回のケースでは、
見積書をExcelで作成していると以下の問題があることが分かりました。
- 入力ミスが発生しやすい
- 形式や見積条件がバラバラになりやすい
- 属人管理になりやすい
- 確認の手間がかかる
- 管理の負担が大きい
その問題を解決するために、本記事では2つの選択肢を紹介しました。
1つ目はキントーンで解決する方法。
2つ目はClaris FileMakerで解決する方法。
しかし、2つの方法それぞれに一長一短あるため、
利用する環境ごとに、どの方法を選択するべきかは状況が異なります。
すまいる顔では、Claris FileMaker・kintone共に開発対応が可能です。
現状を詳しくヒアリングし、最適なITツールの解決提案をしておりますので、
下記よりお気軽にご相談ください。
また当ブログでは、“それって脱Excelすべきでは?” とシリーズ化して
企業がExcelを多用していて困る場面の紹介と、それの解決策を提示しています。
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