それって脱Excelすべきでは?①作成者が退職してしまいメンテナンスができなくなった「野良Excel」がある ~Excelの問題点と解決策を提示~

表計算ソフトとして大変有名で使いやすいExcelですが、企業や業務でExcelを使用していると意外と不便に感じることも多くあるのではないでしょうか?そこで今回は “それって脱Excelすべきでは?” とシリーズ化して、企業がExcelを多用していて困る場面の紹介と、それの解決策を提示します。

はじめに

表計算ソフトとして大変有名で使いやすいExcelですが、
企業や業務でExcelを使用していると
意外と不便に感じることも多くあるのではないでしょうか?

そこで今回は “それって脱Excelすべきでは?” とシリーズ化して
企業がExcelを多用していて困る場面の紹介と、それの解決策を提示します。

また当社がなぜそのような内容を書くかというと
当社のコンセプトは、
ITシステムを使って、合理的な経営を実現するサービスを提供すること
脱Excelをすることは当社のコンセプトと一致するからです。

またExcelの問題を解決する方法のひとつとして、
FileMakerで業務管理システムを作成する方法があります。

当社ではFileMakerの開発経験が豊富ですので、
どのように解決できるかをご紹介します。

今回のケース

車載部品を作る下請メーカーでの事例です。

創立から50年が経過し、従業員も200名を超えた規模へと成長していました。

この企業では品質向上のため、
生産設備には積極的に投資を行っていましたが
社内の管理面には投資が遅れており、
昔ながらの方法で書類やデータを管理していました。

具体的には、営業あてに親会社からメールで届いた注文書を各5枚ずつ印刷し
3枚を、生産部署へ
1枚を、事務員へ
1枚を、自己管理用としていました。

そのうち事務員に渡された1枚は
次の4つの事務工程用のファイルに入力されます。

具体的には
1つ目は、受注情報をまとめるためのExcel
2つ目は、営業情報をまとめるためのExcel
3つ目は、請求書を発行するExcel
4つ目は、納品書を発行するExcel
です。

事務員はそれぞれのExcelファイルを開き、
それぞれのシートに必要な情報を手入力していきます。

1つの注文書に対して、
4つの事務工程でかかる時間を合計すると
約50分の時間がかかっていました。

しかし煩雑な管理体制を改革すべく、社内の事務員Aさんが主導で、
4つの事務工程を、1つのExcelで管理するためのプロジェクトを開始しました。

なんと事務員Aさんは、Excelの知識が深く、
MOSと呼ばれるイクロソフト社の認定資格で、オフィス製品の操作スキルを認定する資格のうち
エキスパートと呼ばれる最高難易度の資格を保有しているほどだったのです。

Aさんは具体的に、Excelで以下のシステム化を行いました。

  1. 入力専用のシートを作り、そこに入力されたデータが、4つの事務工程に自動で反映される
  2. 親会社はExcelで注文書を送ってくるので、
    届いたままの情報をコピー&ペーストするだけで4つの事務工程に反映される

このプロジェクトをAさんの所属する部署でテスト運用したところ
今まで4つの事務工程にかかっていた時間は50分から20分に削減され、
テスト運用は大成功でした。

そのテスト結果を経て、事務員Aさんの作ったExcelは
全国の各部署でも導入されることが決まりました。

導入度、各部署から要望やエラーの連絡がAさんに届きましたが
Aさんは快く対応し、無事全国すべての部署でAさんの作ったExcelが使われるようになりました。

またこの企画により、特に営業数字の把握の精度が高まったことが好評で
今までは週に1度程度だったのが毎日更新されるようになり
より精度の高い計画を立てることができるようになりました。

そしてそれから1年ほどたったころ、Aさんは一身上の都合により退職しました。

しかし、問題が起きたのはその後です。

親企業から届く注文書のフォーマットが少し変更になったのです。

具体的には、インボイス制度の導入にあたり
必要な記載事項を追加するため、税率ごとに区分した消費税額を表示する行が追加されたのです。

   インボイス制度とは
   インボイス制度とは「適格請求書保存方式」のことをいいます。
   所定の記載要件を満たした請求書などが「適格請求書(インボイス)」です。
    インボイスの発行または保存により、消費税の仕入額控除を受けることが可能です。
    インボイス制度は売り手側、買い手側双方に適用されます。
   2023年10月から始まります。
   インボイス制度について、詳しくはこちらで解説しています。

注文書のフォーマットが変わったことにより
今まで通り届いたままの情報をコピー&ペーストするだけでは
必要な4つの事務工程にエラーが起きるようになったのです。

そのエラーとは、
行が追加され、参照する値が異なるために、
数式結果に「#REF!」と表示されるというものでした。

Excelに詳しい社員たちでエラー解消に努めましたが、
数式が複雑でエラーを解消することができませんでした。

そのため、注文書はコピー&ペーストするのではなく、
手入力でExcelに入力する方針に決まりました。

その結果、
当初50分かかっていた4つの事務工程は、
Aさんの働きにより20分へと短縮されましたが
このトラブルにより、15分作業時間が増え、平均して35分かかることになりました。

また毎日数字が更新されるようになって好評だった営業数字も
元の通り週に1回程度の更新に戻り
特に経営層は何か策がないかと頭を悩ませています。

理想の管理方法

まず、今回のケースを踏まえ、理想の管理方法の要件は、
どのような状態を指すのかを示します。

今回の企業はどのような状態になれば、
会社の運用に問題がなく、スムーズな情報管理ができるでしょうか。

まず、今回のケースの1つ目の問題点として
知識の深いAさんが退職し、誰も修正ができなくなったことが挙げられます。

そのため、
今回のケースにおける理想の管理方法の①として
作成者以外もシステムの改修が行える状態にあること、を挙げます。

次に、今回のケースの2つ目の問題点として
・注文書はコピー&ペーストするのではなく、手入力でExcelに入力する
・また毎日数字が更新されるようになって好評だった営業数字も元の通り週に1回程度の更新に戻り
と記載があるので、書類の発行や数値管理に時間がかかっていることも問題です。

そのため、
今回のケースにおける理想の管理方法の②として
簡単に書類の管理や発行ができ、常に営業数値が把握できることを挙げます。

以上の内容をまとめると
今回のケースにおける理想の管理方法を実現するための要件は以下の通り整理されます。

   理想の管理方法を実現するための要件
    ①作成者以外もシステムの改修が行える状態にある
    ②簡単に書類の管理や発行ができ、常に営業数値が把握できる

上記①~②の状態が満たされれば、
書類の管理方法の心配はなく、快適に管理できている状態と言えるのではないでしょうか。

理想と現実のギャップを解決するための課題

これらの理想と現実のギャップを解決するには、
どのような課題があるかを考察します。

①作成者以外もシステムの改修が行える状態にある
を実現するためには、
作業者の知識量の差に関わらず、
誰もが一定のパフォーマンスを実現できることが求められます。

また作業者による癖をなくしたり、均一な結果を得るためには
作業者全員が同じルールに沿って作業をする必要があります。

②簡単に書類の管理や発行ができ、常に営業数値が把握できる
を実現するには
まず印刷や手入力にかかる時間コストを減らし
データ管理を簡単に行えるようにする必要があります。

また入力したデータが常にリアルタイムで更新され
必要な数値やグラフが自動で表示されている必要があります。

まとめると、理想の状態を実現するための課題は以下のように定められます。

   理想の状態を実現するための課題 
    理想①作成者以外もシステムの改修が行える状態にある
     ➡誰でも一定レベルの作業を行い、全員が同じルールに沿って作業ができること
    理想②簡単に書類の管理や発行ができ、常に営業数値が把握できる
     ➡簡単にデータ管理でき、必要な数値やグラフは自動で表示されること

解決方法

これまでの記述で整理した理想の管理方法と、
それを実現するための課題を解決するにはどうすればいいでしょうか?

本ブログでは、2つの具体的な解決方法を紹介します。

1つ目は、キントーンを使って解決する方法
2つ目は、FileMakerを使って解決する方法

それぞれで
 ①理想と現実のギャップを埋める方法
 ②メリット
 ③デメリット
 ④商品詳細
について解説します。

キントーン

1つ目はキントーンを導入し、クラウド上でデータ管理を行う方法です。

理想と現実のギャップを埋める方法

まず、キントーンを使用してどのように
理想と現実のギャップを埋めるための方法を記述します。

   理想の状態を実現するための課題
    理想①作成者以外もシステムの改修が行える状態にある
     ➡誰でも一定レベルの作業を行い、全員が同じルールに沿って作業ができること

という課題に対し、キントーンなら、
様々なテンプレートソフトが用意されているので、
自社に必要なソフトを選べば、作業者の知識に左右されずシステム設計が可能です。

また各テンプレートソフトには説明書も付いているので
自社でシステム設計のルールを設定しなくても、
同じ手順でシステムの導入や改修を行うことが可能です。

キントーンは、自社のシステム部で導入することも可能な他、
キントーンの導入を支援するシステム会社に作業を依頼することも可能です。

外部の企業にシステム関連を依頼することで
自社の人材に頼らない、安定したレベルのシステム運用が可能です。

   理想の状態を実現するための課題
    理想②簡単に書類の管理や発行ができ、常に営業数値が把握できる
     ➡簡単にデータ管理でき、必要な数値やグラフは自動で表示されること

という課題に対し、キントーンなら、
細かな業務に対応した様々な拡張機能が用意されているので
自社の作業に合わせた拡張機能を導入することで、手入力の箇所を減らし
作業をシステム化することが可能です。

またキントーンはデータの一元管理を得意としており、
以下の様々なパターンの売上管理をリアルタイムで可視化することが可能です。

  • 会社全体の売上管理
  • 店舗の売上管理
  • 担当案件の売上管理
  • チームの売上管理

メリット

キントーンを使用するメリットは
書類管理だけでなく、様々な機能が用意されており、
自社の業務全般をクラウド管理に移行することで
DX化が進む第一歩になるかもしれません。

(※DX化とは:Digital Transformationの略語です。
デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくことをDXと言います)

デメリット

キントーンを使用するデメリットは
使用する機能によっては、初期費用や月額費用が高額になることと
細かなカスタマイズは難しいケースもあることです。

商品詳細

キントーンには様々な機能がありますが、
ここでは書類管理のための機能と、売上管理のための機能の
2つを紹介します。

まず、届いた書類の管理には、ファイル管理機能を使うと便利になります。

https://kintone.cybozu.co.jp/purpose/document.html

紙の書類やメールに添付された画像、最新版が分からない提案資料など、
あちこち散らばるファイルを、キントーン上で一元管理することが可能です。

文字情報だけでなくファイルの中身まで検索できるので、探し物時間をゼロにします。

また担当者や更新日、利用ルールも合わせて管理することができ
変更履歴を残し、うっかり上書きミスも防ぐことが可能です。

次に、キントーンで売上を管理する方法をご紹介します。

キントーンでは、取り込んだデータをリアルタイムで反映させるので
正確な売上把握や、案件の管理も可能になります。

複数のデータを紐づけて管理することが可能なので
情報が分散せず、作業効率が上がります。

また上記2つのソフトは一般的なものを紹介しましたが
キントーンには様々な拡張機能が設けられており、
自社に最適なソフトを比較して導入することが可能です。

今回のケースで必要だと思われる見積等の帳票出力だと
30件以上の拡張機能が用意されています。

気になる方はこちらからご覧ください。

FileMaker

2つ目は、FileMakerで、書類を開発する方法です。

理想と現実のギャップを埋める方法

まず、キントーンを使用してどのように
理想と現実のギャップを埋めるための方法を記述します。

   理想の状態を実現するための課題
    理想①作成者以外もシステムの改修が行える状態にある
     ➡誰でも一定レベルの作業を行い、全員が同じルールに沿って作業ができること

という課題に対し、FileMakerなら、
システム設計と入力の画面が分かれているので
Excel程度の知識があれば、簡単に設計ができるため
作業者の知識に左右されず、システムの設計をすることが可能です。

また作業者の知識を一定に保つためにも当社ではFileMaker講座を行っており、
作り方を統一しておく必要があるので、
その方法を当社が指導することも可能です。

   理想の状態を実現するための課題
    理想②簡単に書類の管理や発行ができ、常に営業数値が把握できる
    ➡簡単にデータ管理でき、必要な数値やグラフは自動で表示されること

という課題に対し、FileMakerなら
自社の作業工程にぴったり合わせたデータ管理を自動で行うことが可能です。

またFAXやメールなど、様々な方法で届く書類を取り込み
FileMaker上で一元管理することが可能です。

メリット

FileMakerで作成するメリットは、
自社に必要な機能だけを自由に設計でき、
自社特有の対応や仕様にも対応できるところです。

デメリット

FileMakerで作成するデメリットは、
仕様を1から作成する必要があり、
構成や設計に時間がかかることです。

商品詳細

上述デメリットの項目でFileMakerのデメリットは、
構成や設計に時間がかかることと記述をしました。

しかし当社は、
FileMakerテンプレートシステム「すまいるエイト」を開発し
書類発行や売上管理のためのテンプレートシステムをすでに用意しています。

また届いた書類をアップロードし一元管理する機能も
過去に開発経験があるので、比較的短期間でシステムを導入することが可能です。

また、「すまいるエイト」には様々なテンプレートが用意されていて、
売上や書類発行だけでなく、生産管理や勤怠管理など
会社運営に必要なシステムを導入することが可能です。

すまいるエイト」に用意されている機能は以下の通りです。

ここに用意されている機能以外にもオリジナルで開発することも可能です。

また作業者の知識や作業ルールを、独自のものにしないために
FileMakerの作り方を統一しておく必要があります。

それを解決するには当社の「FileMaker講座」をご利用いただけます。

受講者には

  • 知らない機能もあり勉強になった
  • 社員同士でディスカッションすることで、他者の考え方を知るきっかけになった
  • 作業者の好みに任せていた部分を明確にでき、ルールを設けることができた

と好評をいただいています。

また上記「FileMaker講座」などを利用しながら
自社のシステム部門で対応していただくことも可能ですし、
弊社の用意している「運用支援サービス」を使えば、
分単位でSEを専属化できるので、効率的にあなたの会社のIT部門を支えることが可能です。

SEは実際に出社せず、必要な分だけ利用できるので、低コストでIT化を強化していただけます。

まとめ

今回のケースでは、
作成者が退職してしまい触れなくなったExcelがあるという問題を提示しました。

そして、「作成者が退職し触れなくなったExcelがある」という状況を生まないために
当ブログでは2つの解決策を提示しました。

1つ目は、キントーンで解決する方法。

2つ目は、FileMakerで解決する方法。

しかし、2つの方法それぞれに一長一短あるため、
利用する環境ごとに、どの方法を選択するべきかは状況が異なります。

当社では2つすべての方法で対応することができ
どのような解決が望ましいのか、
御社の現状を詳しく聞かせていただいて、
提案しますので、連絡ください。

お問い合わせ

また当ブログでは、“それって脱Excelすべきでは?” とシリーズ化して
企業がExcelを多用していて困る場面の紹介と、それの解決策を提示しています。

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タグ: 脱Excel

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